錆びた扉
すっとはいりこんで
浸透して
耳がくすぐったい
水のやうな
やわらかな桃の香りのやうな
孤独が満たす夜の駅で
空気と液体の混じりあった指先に
刺
ちくりと刺す
ちいさな痛みの
赤い点
ゆっくりと舞い上がる感情の螺旋
その方向にあなたの声があって
世界の一瞬の揺らめきに
目を細めたのがいったい誰だったのか?
今はもう思い出せないけれど
あのとき錆びた扉を背にして
確かにあなたは笑っていた
浸透して
耳がくすぐったい
水のやうな
やわらかな桃の香りのやうな
孤独が満たす夜の駅で
空気と液体の混じりあった指先に
刺
ちくりと刺す
ちいさな痛みの
赤い点
ゆっくりと舞い上がる感情の螺旋
その方向にあなたの声があって
世界の一瞬の揺らめきに
目を細めたのがいったい誰だったのか?
今はもう思い出せないけれど
あのとき錆びた扉を背にして
確かにあなたは笑っていた
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