四月の月から
道端に花が咲いている
星の淫らな匂い
森の陽射しに空気の煙
淡い時間の上を角砂糖の汽車が走る
健忘症の少年
同じところをいったりきたり
硝子玉の六分儀
アスファルトの計算式 
アルコールランプに揺らめく木星の影
金木犀の鉄くず
風を纏って狐のほむらへと
記憶の会話は遠ざかる波の音にかき消され
繰り返す問いは
干涸びた蜥蜴の尻尾のように夜に伝染した